ロボット掃除機では当たり前になりつつある自動ゴミ収集ドックだが、スティック掃除機に採用した理由はどこにあるのか。同社プロダクトマーケティング シニアマネージャーのジャッキー・チャンさんによると、同社は米国ではロボット掃除機も展開。以前より自動ゴミ収集ドックについても開発が行われていたという。
「ロボット掃除機は『最初から最後までユーザーの手を介することなく掃除を終わらせるべき』と考えると、自動ゴミ収集ドックは必然的に必要な機能でした。一方、日本市場では実際にはロボットではなく、ユーザー自身で掃除を行っているのが圧倒的多数です。掃除に関するさまざまな調査を行ってきたなかで、ゴミ捨てにまつわる不満やお悩みが多いことに気付き、その解決手段として利便性の高い自動ゴミ収集ドックというソリューションにたどり着きました」(チャンさん)
こうして、昨年発売した「Shark EVOPOWER SYSTEM iQ+」に自動ゴミ収集ドックを搭載。今回、最上位モデルの「CleanSense iQ+」では、より横幅が狭いコンパクトなデザイン、ゴミ捨てがしやすいハンドル付きダストカップを採用した他、ゴミ捨て時期を知らせるインジケーターなどを搭載している。
日本国内のロボット掃除機の普及率は、共働き世帯で3割を超えたといわれるが、まだまだ途上にある。また、ロボット掃除機を導入していても、床以外の掃除などのためにコードレススティック掃除機と併用している家庭も多い。
そんな状況で、コードレススティック掃除機が、吸引と拭き掃除の2in1や自動ゴミ収集ドックというロボット掃除機のトレンドと合致するのも、ある意味で必然かもしれない。吸引力や駆動時間といった基本性能が十分満足できるレベルに向上した今、今回紹介した水拭き機能や自動ゴミ収集ドックに加えて、軽量化や使い勝手の良さ、ゴミを可視化する機能、デザイン性など、付加機能の競争はさらに高まっていくだろう。
雑誌、Webメディア、単行本の企画・編集・執筆などを手がけるライター・コラムニスト。自慢できる家電「ドヤ家電」(日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定)を生み出す。近年はマーケティングやR&Dの領域で取材・コンサルティングを手がける。著書に、『ちょいバカ戦略: 意識低い系マーケティングのすすめ』(新潮社)など。
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