電気代高騰や猛暑を背景に企業が「ひんやりグッズ」に商機を見いだしている。ヒットしている商品はどのようにして開発されたのか? 売り場のトレンドはどうなっているのか? 消費者のトレンドや開発の舞台裏に迫る
家電や生活用品の開発などを手掛けるドウシシャの「大人の流しそうめん」(希望小売価格6578円)が、ロングセラー商品に育っている。2018年4月に販売し、これまで約10万台も売れた。広報担当者によると、目標金額を上回っているという。誕生の経緯やその後の反響について、開発を担当した同社の川出洋司氏に話を聞いた。
大人の流しそうめんは、子どもがいない共働き夫婦や学生などでも楽しめる商品として開発した。ドウシシャは夏向け季節商品としてかき氷器を数十年以上販売しているが、新しい柱となるものを模索していた。
川出氏によると、他社のスライダー付きの流しそうめん器は玩具のイメージが強く、サイズも比較的大きいものが多かったという。楽しむにはそれなりのスペースが必要で、部品点数も多いので「プラモデルのように組み立てるのが大変だった」(川出氏)のだとか。
大人の流しそうめんにはどういった特徴があるのか。
まず、省スペースでも楽しめるように、横に展開するのではなく背丈を高くする方向で設計している。上部には6つのそうめんポケットを設置。そうめんをセッティングしてスイッチを押すとポケットが回転し、自動でスライダーに運ばれるようになっている。スライダーはらせん状になっており、下部にある桶へと流れていく。全体的には巻貝のような見た目になっている。
そうめん器の土台となる桶部には2.5〜3.0リットルの水が入るようになっており、水をポンプでくみ上げる。くみ上げた水は最上部にある氷ポケットで冷やされ、セットしたそうめんにダイレクトに冷水をかけ流す。そうめんをキンキンに冷やしたほうがおいしく感じられるとの判断からこのような仕様になっている。
キャッチされなかったそうめんは桶部に流れ着く。桶部は水流が回るようになっており、取り逃したあとでも楽しめるようにしている。
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