セブン「レジ袋風」エコバッグのヒットは必然だった!? 有料化から3年、新たなビジネスチャンスを探る消費者も変化(5/6 ページ)

» 2023年07月28日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

逆転の発想で開発

 しかし、これを逆転の発想で捉えなおして、商品開発したレジ袋があります。それは包装資材卸大手のシモジマ(東京都台東区)が販売している「エネルフィッシュ」という商品です。

エネルフィッシュ(出所:プレスリリース)

 私たちがプラごみを出さないように努力したとしても、プラごみが海や川に流れ出るのを100%止めることはなかなかできません。そこで

(1):万一、海に流れ出ても時間が経てばマイクロプラスチックとはならずに水と二酸化炭素に分解されて消滅するレジ袋にする

(2):レジ袋が分解される前に魚が食べようとしても、魚が食べることを嫌うような物にすればよい

 と考えたのです。

 人や魚が口にすると強い苦みを感じる安息香酸デナトニウムをレジ袋に配合することで、海洋生物が誤って飲み込んでしまうリスクを低減するという画期的なレジ袋を開発したのです。

 もともとは洗足学園高等学校(神奈川県川崎市)の女子高生チームFISHレスキュー隊のアイデアをシモジマが商品化したものです。その後、三菱ケミカルグループ、キラックス、シモジマが協力し、海洋生分解性レジ袋にして、1年で約90%が海洋で分解される袋にできたというものです(注: 海水温度、微生物の量により分解速度は変わる。三菱ケミカル社の実験では1年で90%分解を確認)。

 すでに釣り具チェーン店や漁協などで採用が始まり、これから全国的に拡大していく商品になりそうです。

 このように「レジ袋だからすべてNo!」ではなく、レジ袋であっても、それが環境を破壊しないものにできれば、それはエコバッグと同様、貴重な環境を守るアクションとなるのです。

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