ではなぜ、日本ではレジ袋有料化を決めたのでしょうか。環境省と経済産業省のサイト「レジ袋チャレンジ」に簡潔に書かれています。
(1)主要な地域・国の中でプラスチック容器包装の廃棄量が2番目に多い
1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量は、主要な地域・国の中で日本が2番目に多いと言われている(出典元:国連環境計画の2018年度報告書)
(2)世界で広がるレジ袋の使用禁止などの規制
世界60カ国以上でレジ袋に禁止を含めた規制をかけている(出典元:国連環境計画の2018年度報告書)
(3)CO2排出量規制
2050年には、世界のプラスチックの製造・廃棄にかかるCO2排出量は、気温上昇を2℃以下に抑えるためのCO2排出量の上限のうち15%を占めると言われている(出典元:エレンマッカーサー財団2016年)
(4)2050年に魚の量を上回るプラスチックごみ
陸域で排出されたプラごみが河川などを通じて、海域に直接排出されることによって、世界全体で毎年800万トンのプラごみが海に溜まり続けている。このまま続くと、2050年には海洋中のプラごみの重さが、魚の重さを上回ると試算されている(出典元:エレンマッカーサー財団2016年)
日本におけるレジ袋は、国内で使用されるプラスチック全体のうち2%程度(推計)と言われています。ですから、レジ袋の使用を抑えたところで、プラスチック容器包装の廃棄問題が解決するわけではありません。ただ、レジ袋という多くの人にとって身近なプラごみの排出を抑えていくことで、少しでも環境問題に取り組む人を増やそうという狙いでレジ袋有料化を始めたのです。
20年3月時点に環境省が行ったWeb調査では、レジ袋をもらわない人は30.4%だったそうです。これを「(同年12月までに)6割まで倍増」(レジ袋チャレンジ公式Webサイトより)しようという取り組みとしてスタートしたとも書かれています。果たして結果はどうなったのでしょうか。
環境省が実施した「令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査」によれば、同年3月には3割だったレジ袋辞退率が、施行後の11月には71.9%となり、12月までに6割とした目標をクリアしています。
また、20年11月時点でマイバッグを1個以上持っている人は93.7%と、非常に高い割合になっていることも分かりました。
同じ調査では「マイバッグを新たに購入した人」が27.1%、また「もともと持っていたマイバッグを、さらに使うようになった」が75.1%と、マイバッグへの興味関心が高まっていることが見て取れます。レジ袋有料化がプラごみ問題への関心を引き出すきっかけになったことは間違いないようです。
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