加えて、情報収集の方法が分散しているということもあります。
上の世代の方にとって、テレビはどの家庭にもあるものだったと思います。僕も子供の頃は親が選んだ番組を横で見ている感覚でした。しかしいま、テレビはあまり見ません。僕の場合は、半年に1、2時間見るかどうかです。同世代には、テレビを持っていない人もたくさんいます。
Z世代が普段見るものは、LINE、YouTube、Twitter、Instagram、TikTok。人によってはNetflix。親に合わせる必要もなく、スマホで、 好きな時間に好きな場所で自分の好きなものを楽しめるようになっています。当然「SNSでいくらでも楽しいことがあるから、テレビは見なくてもいいや」となります。
こうした話をすると、「若い人たちはSNSばかりで情報量の多いものには興味がない」と言われることがあります。そんなことはなくて、映画鑑賞が趣味のZ世代もいれば、小説を読むのが好きなZ世代もいます。テレビが好きなZ世代もいるし、ラジオが好きZ世代も一定数います。TwitterやTikTokを見ない人はまったく見ません。
いろいろな媒体が生まれることで、情報収集の入り口が増えています。こうした傾向は、上の世代の方も同じではないでしょうか。これまで多くの人が多くの時間をテレビに使っていたところから、人によって、どれに時間をかけるかがバラバラになっています。そのため、1つの方法で多くの人にリーチするということが難しくなっています。
このような背景から、大きなヒットは生まれづらくなっています。さらにこれから、Z世代の多様性を好む意識が拍車を掛けていきます。大きなトレンドが生まれづらいという傾向は、ますます強くなっていくでしょう。
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