大ヒットが生まれない最大の理由は? バラバラに動く人たちへのアプローチ今使うとダサい言葉(4/4 ページ)

» 2023年08月04日 08時00分 公開
[今瀧健登ITmedia]
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バラバラな人たちに個別にアプローチする方法

 大きなヒットは生まれづらくなり、その消費期限も短くなっている。いろいろなところでぷつぷつと小さなヒットが生まれ、生まれたと思ったら消える。後になってみれば記憶にも残らないような小さなトレンドが、花火のように同時多発しています。

 従来は、「ずっと売れる、爆発的に売れるものを目指すのがマーケティングだ」といった考え方がありました。それがもう正攻法ではなくなっているということを、強く意識しなければいけません。

 イノベーションのホームランはあり得るけれど、その数は極めて少ない。それに続く3塁打、2塁打も少ない。狙って打てるのはシングルヒット。あるいはシングルヒットを狙った結果、運よく2塁打になるくらいです。企業としては、ホームランを狙うのではなく、シングルヒットで繋ぐ戦略を採るべきです。

 そして、たくさんのヒットを狙うなら、当然マーケティングも分散すべきです。これまで魚群として集まっていたものが、いまは金魚のようにそれぞれが法則性もなく自由に動いています。投網で一気に捕まえるのではなく、いろいろな場所で1匹ずつすくわなければいけません。

 ただし、人それぞれに「買う理由」が異なります。バラバラに動く人たちに対して、個別にどうアプローチするのか。その有効なツールが、本書のテーマである「エモ」です。

 エモとは、ひと言で表せば「ハッピーな共感」です。世の中にあるほかのものではなく、自分事として共感できること。それを入り口に商品やサービスに対してポジティブな印象を持ち、購買へとつながっていくのです。

この記事は、『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』(今瀧健登/クロスメディア・パブリッシングに掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


今瀧健登(いまたき・けんと)

 僕と私と株式会社CEO、一般社団法人Z世代代表、Z世代の企画屋。1997年生まれ、大阪府出身。横浜国立大学教育人間科学部在学中に起業。花屋のコンサルティングやグラフィックデザインを担うほか、花贈りブランド『HANARIDA』をリリース。2020年、大学卒業後に教育コンサルティング会社に就職。同年に「僕と私と株式会社」を設立し、Z世代向けのマーケティング・企画UXを専門に事業を展開する。メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』などを企画。プロデュースしたマッチングアプリ「タップル」の公式TikTokアカウントでは、開設1年でフォロワー約35万人、総再生回数は2億回を突破している(2023年3月末現在)。また、「サウナ採用」などのユニークな働き方も提案。

 「NewsPicks」 U-30プロピッカー。「日経クロストレンド」にて『今瀧健登の「Z世代マーケティング」』を連載中。そのほか、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」、TBS「Nスタ」、J-WAVE 「TOKYO MORNING RADIO」、「朝日新聞」、「産経新聞」、「日経MJ」、「MarkeZine」、「宣伝会議」、「創業手帳」、「日経ビジネス」、「日経xwomen」、「KEIEISHA TERRACE」、「ABEMA NEWS」など、Z世代の代表として多数のメディアに出演。本書が初めての著書となる。


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