もちろん、大きなトレンドがまったく生まれないわけではありません。近年のわかりやすい例で言えば、タピオカです。最近であればサウナなどもそうした流れになっています。
トレンドが生まれるためには、一定の規模を超える必要があります。規模を構成するのは、消費者の人数と消費回数です。
人数に関しては、「バズ」といわれるように、いまでも一定期間、多くの人が商品やサービスを支持することがあります。その上で、何回も買うというリピート現象が起きるかどうかです。
タピオカの場合は、リピーターが圧倒的に多かった。それがなぜかといえば、まず、「今日タピる?」「映(ば)える」といったように、消費者の日常に溶け込みやすかったという側面があります。
しかし最大の原因は、「おいしい」と思う人がたくさんいたからです。おいしいドリンクやスイーツが溢れている中に、さらに差別化できるほどの品質を打ち出すことができた。その上、類似の商品が存在しなかったという、珍しい例です。
周囲を圧倒するほどにいいもの、あるいは完全に差別化できるものであれば、勝手にリピートされます。それを世の中ではイノベーションと呼ぶわけです。第二のタピオカを狙ってもいいとは思いますが、実際にそれを行うのは極めて困難です。
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