1位「マジ卍」、2位「ぴえん」、3位「なう」、4位「写メ」、5位「タピる」「激おこぷんぷん丸」――。
何のランキングだと思われるでしょうか。「若者の間で流行っている言葉ランキング」ではありません。「今使うとダサい言葉ランキング」です(TBSラジオ『TALK ABOUT』の「TALK ABOUT RANKING」〈調査期間2022年1月30〜31日〉より)。
現在、特に若年層の間では流行の移り変わりが早くなっていますが、これもZ世代に限った話ではないと思います。「去年いちばん売れた曲は?」と聞かれて、答えが浮かぶでしょうか。
20年前に「この1年でヒットした10曲」と聞かれれば、みんなの認識はだいたい一致していたと思います。しかし、いまはバラバラです。ランキングの10位以内に入っていても、人それぞれに知らない曲がたくさんあります。
商品やサービスも同様です。近年、ビジネスの分野を問わず、大きなトレンドは生まれづらくなっています。
その理由として、まずは「生活に必要なものはみんな持っているから」ということがあります。テレビ、冷蔵庫、クーラー、洗濯機、車。モノがない時代は、みんなの欲しいものが共通していました。
しかしいまは、生活に必要なものはひと通り揃っています。それに、どんな商品を買っても、“はずれ”を引くことは滅多にありません。例えばいまシャンプーを買って髪がキシキシになることはまずないと思います。コーヒーを飲んで「うわっ、まずっ!」となることもありません。
必要なものがひと通りそろっていて、足りなくなったときや壊れたときにも、どれを選んでも大きな問題がない。そのなかで本当に自分が欲しいものをと考えれば、みんなバラバラになる。だから大きく売れるものをつくるのは難しくなっているという発想です。
ただ、大きなヒットが生まれない最大の理由は、人が受け取ることのできる情報量が増えたからだと思います。
SNSやネットの普及によって、人々が触れることのできる情報は、従来に比べて格段に多くなりました。それ自体は便利なことでもありますが、多くなり過ぎたがゆえに、1つひとつの違いをはっきりと判別できなくなっています。
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