保険金の水増し請求、街路樹への除草剤散布と無断伐採......。週刊誌『フライデー』の記事をきっかけに数々の不祥事が明らかになっている中古車販売大手ビッグモーター。そんな渦中にある同社の「経営計画書」の存在をテレビ朝日などが報道し、「生殺与奪権」という言葉が注目を集めている。「殺」「奪」といったちょっと怖い漢字が並んでいるが、どんな権利なのか。
結論から言えば、「他人を思うままにできる力」を指す。テレビ朝日の記事によれば、社外秘の経営計画書には「経営方針の執行責任を持つ幹部には、目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える」と記載されていたという。つまり、目標達成のために上司は部下を自らの思い通りに扱うことができるということだ。経営陣が売り上げを伸ばすことに対し、過剰なまでにチカラを入れていたことがうかがえる。
正確を期すため、複数の国語辞典の意味を引用する。米アップルのiPad向けに電子版を提供している6つの辞書を活用し、生殺与奪(せいさつよだつ)について調べてみた。
「生かしたり殺したり、与えたり奪ったりすること。人民や部下などをどのようにでも思いのままに支配すること」(精選版日本国語大辞典)
「生かしたり殺したり、与えたり奪い取ったりすること。どうしようと思うままであること」(大辞林)
「生かしたり殺したり、与えたり奪ったりすること。他人をどのようにも思いのままにすること」(大辞泉)
「相手を殺そうと生かそうと、物を取り上げようと与えようと、自分の思うままにできること」(新明解国語辞典)
「思いのままに、どのようにでもできる力」(三省堂国語辞典)
「生かすことも殺すことも、与えることも奪うことも、すべて自分の思いのままであること」(明鏡国語辞典)
とそれぞれ説明している。
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