音楽ポップスの興行規模  3位「ONE OK ROCK」、2位「SixTONES」、1位は?ぴあ総研の見解

» 2023年08月23日 08時00分 公開
[ITmedia]

 ぴあ総研は、2023年上半期の「音楽ポップス興行規模ランキング」を発表した。その結果、1位は「すとぷり」の60.9万人だった。2位は「SixTONES」の59.5万人、3位は「ONE OK ROCK」の51.6万人となった。

2023年上半期の「音楽ポップス興行規模ランキング」(写真提供:ゲッティイメージズ)

2位「SixTONES」、3位「ONE OK ROCK」 ぴあ総研の見解は?

 この調査では1〜6月に開催された音楽ポップス公演の会場収容人数を合計し、各アーティストの上半期「興行規模」を算出している。コンサートの公演会場の規模から割り出した「興行規模」は、実際の「動員数」と一致するものではないものの、アーティストの動員力を測る指標となる。

 1位のすとぷりは、動画投稿サイトなどで人気を集めている6人組のエンタメユニットだ。3年5カ月ぶりとなるアリーナツアー「すとぷり ARENA TOUR 2023 “Here We Go!!”」を開催し、全11会場で44公演を開催した。

すとぷり(公式ウェブサイトより)

 2位は、20年にCDデビューを果たしたSixTONESがランクイン。全国アリーナ&ドームツアー「慣声の法則」を、全6会場で計26公演開催した。

SixTONES(公式ウェブサイトより)

 3位は、米国を拠点に活動する日本のロックバンドONE OK ROCKだった。約5年ぶりとなる全国6大ドームツアー「ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR」を開催。全11公演を開催した。

ONE OK ROCK(公式ウェブサイトより)

 海外アーティストに関しては、22年の年間興行規模ランキングTOP30を見てみると「SEVENTEEN」と「NCT127」の2組のみのランクインだった。一方、今年の上半期では5位の東方神起(43.8万人)を筆頭に、20位にTREASURE(22.1万人)、21位にBLACKPINK(22万人)など、7組もの海外アーティストがランクインしている。

東方神起(公式ウェブサイトより)

 今回の上半期TOP30の興行規模は、合計880万人だった。22年上半期の788万人と比較すると、92万人増えている。今年1月からはマスク着用などの感染対策をした上での声出しが解禁され、5月からは新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられた。

 イベント開催にまつわる規制が一段と緩和されたことにより、ぴあ総研は「大規模音楽ポップスコンサートが着実に復活に向かっています」と総評している。

音楽ポップス興行規模ランキング 2023年1〜6月

ぴあ総研の所長に見解を聞いた

 今回の調査結果が示す今後の状況について、ぴあ総研の笹井裕子所長に聞いた。

――今回の結果をビジネス的な視点で総括していただけますか?

 ONE OK ROCKの約5年ぶりのドームツアー、back numberの約4年半ぶりのドームツアーなど、ドームツアーの復活が顕著にみられる。

 コロナ禍において、大規模イベントにおける人数制限が長期化していたが、1月27日からはマスク着用などの感染対策を行った上で収容人数を制限しない状態での 「声出し」が解禁され、さらに5月8日からは新型コロナ感染症の感染症法上の位置付けが「5類」へ移行となった。イベント開催にまつわる規制が一段と緩和されたことで、大規模イベントに限っていえば、市場規模はほぼコロナ禍前の水準に既に戻っているといえる。

 集客エンタメ市場全体でみると、まだ公演回数や動員数はまだコロナ禍前の水準には戻っていないが、動員力(集客能力)のある大規模興行や人気興行が、市場全体の回復のけん引役となることに期待したい。

――7組もの海外アーティストがランクインしていますが、今後もこの結果は続きそうですか?

 コロナ禍における抑制からの反動増がどの程度なのか見極める必要はあるが、世界的なK-POPの人気継続に加え、首都圏におけるアリーナ会場の増加により、海外アーティストによるアリーナクラスの来日公演を従来よりも開催しやすくなった。このことから、海外アーティストが多数、上位にランクインする傾向はしばらく続くのではないか。

――コロナが終わりを告げつつある中、興行規模は拡大していきそうですか?

 「興行規模」に関しては、コロナ禍による影響うんぬんよりも、今後、全国で新たにオープンする予定のアリーナ規模会場がどの程度稼働するのか、の影響のほうが大きいと考えている。しばらくの間は興行規模拡大のトレンドが継続するとみている。

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