パナソニックの飯澤貴浩氏(ビューティ・パーソナルケア事業部 新規事業開発推進課 課長)は「商品を売るよりも”体験の提供”を重視している」と同施設の狙いを話す。
「当社では、『美容家電』という言葉がまだ使われていなかった2003年ごろから、美容アイテムを体験できる場所を設けていました。ご自身の肌で効果を実感して、納得して購入いただきたいためです。
現在は美容家電の市場が成熟してきていますが、それでもなお口コミだけでなく、体験の需要は高い印象があります。同施設は体験を楽しんでもらうための場所であり、『商品を売らなくていい』とスタッフに伝えています。買い物ついでに立ち寄って、化粧直しをするぐらい気軽に利用していただけたら」
パナソニックは、03年ごろからリビングショールームの一角に美顔器の体験エリアを設けたり、ターミナル駅の駅ナカ施設に有料のパウダールームをつくって美容家電を試せるようにしたりして、美容アイテムの体験を促してきた。
17年からは銀座に体験専用の施設をつくって、契約満期となる22年まで運営していた。その後、23年7月にオープンしたのが表参道の新施設というわけだ。
「銀座の施設は女性をターゲットにしていましたが、男子大学生が一人でお越しになることもありました。若い男性にも需要があるのだと思わぬ発見があり、これからは性別や年齢を問わない美容がテーマになるのではと思いました。
国内外の幅広い層に向けた美の発信拠点にしたいと考え、ターミナル駅ではなく、ヘアサロンやブランドショップが並び、美のイメージが確立されているような表参道を選びました」
新施設は銀座の施設から面積を約2倍に広げ、メンズ用のシェーバーなど体験できる商品点数を増やした。さらに、一般消費者だけでなく美容のプロにも美容アイテムの体験をしてもらうべく、近隣のヘアサロンとの連携も予定している。
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