損保ジャパンとテレビ局はなぜ似ているのか 「ヤバい取引先」をかばう会社の特徴スピン経済の歩き方(1/7 ページ)

» 2023年09月05日 11時07分 公開
[窪田順生ITmedia]

 ジャニーズ事務所の性加害問題を調査していた外部の専門家による再発防止特別チームが、創業者のジャニー喜多川氏の数百人におよぶ性加害を「認定」した。その中で、ここまで被害が拡大したのは、元フォーリーブスの北公次さんが告発本を出したときや、1999年に『週刊文春』がキャンペーンをしたときに、マスコミ各社がそろってこの報道を「黙殺」したせいだと指摘した。

 「ヤバい取引先」の悪評が週刊誌で報じられているのに、人気アイドルが所属する事務所との関係性を重視して、見て見ぬふりをしていたという意味では、テレビ局もジャニー喜多川氏の卑劣な性犯罪の「共犯」だというわけだ。

 このような厳しい声が多くあふれる中で、ネットやSNSでは「ビッグモーターと損保ジャパンのもたれあい関係と同じ」と指摘する声も多い。

ビッグモーターと損保ジャパンのもたれあい関係が問題に(写真WATA3 - stock.adobe.com)

 保険金の不正請求などさまざまな問題が発覚したビッグモーターだが、実はマスコミがお祭り騒ぎをするはるか前、2022年6月の時点で不正が浮上して損害保険大手3社はビッグモーターへの事故車の斡旋を停止していた。しかし、ほどなくして、損保ジャパンだけは社長判断で、斡旋を一時再開したという。またさまざまなメディアで、損保ジャパンの社員が登場して、社内でビッグモーターを特別扱いしていた風潮があったことを告発している。

 要するに、ヤバい取引先と認識しながらも、ビジネス的なメリットから見て見ぬふりをしていた可能性があるのだ。この構図がジャニーズ事務所とテレビ局各社のズブズブの関係と瓜二つだというのだ。

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