生成AIが互いに議論? 国立法人NICTが目指す「フェイクを見破る術」とは:生成AI 動き始めた企業たち(3/4 ページ)
当機構は民間企業ではないため、直接的にビジネス上の競争に参加するのではなく、これまでのAIシステム開発で得たノウハウ、データ、今後構築していくものも含め、日本語を中心とした各種の学習データを構築、民間企業などに提供することで、日本の関連産業の底上げを狙っていきます。
加えて、検索ベースの質問応答システムWISDOM XやMICSUSなどの対話技術と生成AIを連携させることによって、新たな価値を生み出す技術を開発し、民間企業などにライセンスなどをすることも狙っていきます。
特にWISDOM Xは、生成AIが生成したテキストの「裏取り」を行い、その情報の信頼性の検証での活用も可能であり、安心安全な生成AIを実現するに際して、重要な役割を果たすものと考えています。
また、多数の組織が生成AIの開発に加わっており、競争が加熱している一方、将来的には、オープンな形での開発も進んでノウハウなどの共有が進み、さまざまな組織の開発する生成AIの性能差がそれほど顕著でなくなることもあり得ます。その場合に競争力、差異化要素となるのは、連携可能なシステム群やエコシステムであり、その点でも国内の産業に貢献ができるのではないかと考えています。
NICTは米OpenAIが開発したLLM「GPT-3」に匹敵する1790億パラメータのLLMを開発中だ。地球温暖化を解決するための自動車タイプについての意見をLLMが生成している
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