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IBMが描く「ビジネス×生成AI」の未来像生成AI 動き始めた企業たち(1/2 ページ)

» 2023年07月05日 07時00分 公開
[濱川太一ITmedia]

新連載:生成AI 動き始めた企業たち

 生成AIがビジネスを大きく変えようとしている。従来のルールを覆す「ゲームチェンジャー」となり得る新技術に、企業はどう向き合うのか。生成AIの独自開発・活用に名乗りを上げた企業に構想を聞く。

掲載予定

  • 日本IBM(本記事)
  • サイバーエージェント
  • 日立製作所
  • 富士通
  • NEC

※順不同、今後も追加予定

 米OpenAIが2022年11月に対話型AIサービス「ChatGPT」を発表してから、半年余りが経過した。国内外の企業が生成AIの開発に相次ぎ名乗りを上げ、競争が本格化している。生成AIはビジネスや社会にどんな変化をもたらすのか。企業はリスクをどう管理し、いかにして自社の競争優位性を確保するのか。

 新連載「生成AI 動き始めた企業たち」第1回は、AIとデータを組み合わせた法人顧客向けの新基盤「watsonx」(ワトソンエックス)を5月に発表したIBMを紹介する。回答者は日本IBM常務執行役員 テクノロジー事業本部長の村田将輝氏。

ビジネスへの影響 自社の強み 競争優位性 リスクと対処法 ルール整備
日本IBM 新ビジネスの創出と業務プロセスの大変化が起こる 顧客の競争優位につながるユースケースに特化したAI 最先端技術をIBMのオープンプラットフォームに取り込む 情報漏えいなどを防ぐためにはガバナンス強化が必要 顧客向けAIプロジェクトでは社内AI倫理委員会で審査
サイバーエージェント 従来のサービスの性能自体の向上につながる 独自LLMを用いChatGPTのような対話型AIの開発が可能 競争よりも協力して日本独自の生成AIの発展を期待 データ活用のための法整備を国全体で進める必要がある 生成AIの業務利用についてガイドラインを策定
日立製作所 設備保守などを学習させ熟練者の技術伝承も可能になる 毎年100件超のAIを活用したプロジェクトを推進 運用や保守に関する情報を学習した日立独自のLLMを開発 情報漏えいを防ぐため「出力内容の吟味」が必要 利用の判断基準を定めた業務利用ガイドラインを社内展開
富士通 ホワイトカラーの仕事への影響が大きい 人の振る舞いや表情を認識するAIなどに強み 顧客業務に特化した生成AI開発と安心利用できる環境整備 社会的リスクにAI倫理影響評価ツールなどの手法を提案 従業員にeラーニングの受講を義務付けている
NEC 生成AIは「次なる産業革命」の「道具」になる AI・自然言語分野の豊富な支援実績から培った知見に強み 生成AIの利活用をフルスタックでサポートできる 情報の出入力の制御が重要 秘密情報の取り扱いなどに着目し社内ルールを制定
各社の回答(要約)

Q. 生成AIはビジネスと社会にどんな変化をもたらすか

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