仕事の47%が機械に奪われる、と世界中で話題になった論文が発表されてから10年の月日が流れました。機械の中でも特に発達が目覚ましく、脅威に感じられているのがAI(Artificial Intelligence:人工知能)です。最近ではChatGPTなど、文章や画像を生み出す生成AIの登場により、AIと仕事をめぐる議論は新しい次元に突入した感があります。
アメリカのハリウッドではAIによって仕事を奪われる可能性を危惧して、映画の脚本家たちが大規模なストライキを実施しました。読売新聞はその様子を「AIに『仕事奪われる』、ハリウッドで大規模スト…すでにチャットGPTで脚本や絵コンテ作成の例も」と題した記事で報じています。
将棋や囲碁など、「機械が人間を超えることはない」と思われていた複雑なゲームでさえ、AIは人間を凌駕するようになりました。これから先も、AIの性能が技術的にどこまで発達するのかは読み切れません。
人間がこれまで行ってきた仕事は、このままAIなどの発達とともに何もかも機械に奪われることになってしまうのでしょうか。ネットでは、「AIに仕事奪われる流れは止まらない」「奪ってくれれば働かなくて済む」「現実が追いつかない」など、さまざまな意見が飛び交っています。
ただ、仕事は人間の役に立つことが前提です。AIの性能がどれだけ技術的に向上したとしても、人間の役に立つかどうかは、人間にしか判定できません。機械が代替できる仕事とできない仕事の境界線は、これまで人間が人間自身の役に立つために何を行ってきたかを掘り下げることで、ある程度見えてきます。仕事にまつわる3つの要素「実務」「価値」「責任」にフォーカスして、考察したいと思います。
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