ChatGPT「フル活用」仕事術 「寝ているだけで記事作成」はできるのか古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)

» 2023年04月28日 07時30分 公開
[古田拓也ITmedia]

 人工知能(AI)の発展は目覚ましく、テック各社はこぞって独自の対話型AIを開発している。ChatGPTの開発停止を求める署名運動を展開したイーロン・マスクも、つい先日「TruthGPT」と呼ばれる対話型AIの開発計画を発表した。生き残りとシェア獲得のために手段も選ばない“仁義なき戦い”が繰り広げられている。

 中でもOpenAIが開発したChatGPTは、グーグルのbirdのような後発ツールと異なり、高いパフォーマンスと多様な応用例でユーザーの支持を集めている。

 本稿の前半部分では、そんなChatGPTをビジネスにおいて使いこなしていくためのポイントと、リスク要因などについて紹介する。後半部分では、連載記事をChatGPTに学習させて、筆者の“クローン”を生成した結果を記している。ChatGPTを活用したツール生成のヒントやアウトプットの改善策についても記載しているため、AI活用に興味のある読者はぜひ後半ページまで読んでいただきたい。

ChatGPTを活用した筆者のビジネス応用例

 筆者の会社では、ChatGPTをさまざまなビジネス領域に活用している。中にはマスメディアにおける番組台本の骨子を考案する「ニュース記事BOT」や「テレビ原稿BOT」、自社の広告枠取引プラットフォームにおける各種商品概要の「広告媒体BOT」など、さまざまなツールをChatGPT上で開発している。

photo ChatGPT上で作成された自社ツールの例

 他にも、従業員のスキル向上や新入社員の研修を効率的に行うために、AIが個々のニーズに合わせた教材や問題、学習法を提供するにあたって、ChatGPTをメンターとして活用している。

 対象者が自社の研修課題について「コード例を出力してほしい」と頼むと、指定したプログラミング言語でコードを示す。バグがあれば、その内容を指摘してコード修正のヒントを与える――といった形でメンタリングを行う。高度な質問については人間のメンターに質問することで当事者双方のコミュニケーション負荷を軽減する効果が確認できた。

photo ChatGPTでは、コードでの出力や表形式での出力など、質問内容を理解した結果をアウトプットしてくれる

 また、SNSアカウントの動画台本や投稿文の骨子を提案してもらう用途でも、同じ時間で従来の5〜10倍の量のコンテンツを作り出せるようになった。

 企業が独自のSNSアカウントを用意する際、最も時間と手間がかかるのが台本制作であり、近年ではYouTubeなどのSNS投稿内容の制作でが仕事として需要が高まっている。ChatGPTは対話を通じて出力結果のチューニングが可能であり、それなりのコンテンツを出力してくれる。

photo ChatGPTでは、コードでの出力や表形式での出力など、質問内容を理解した結果をアウトプットしてくれる。出力結果のネタを改変すればもっと面白い構成やオチの作成も可能だ

 既存事業の見直しや新規事業といえばこれまでコンサル費用や新規人員・外注工数の発生といったさまざまなコストがかかっていた。しかし、AI技術を活用することでに新規雇用など人件費をはじめとしたコストを圧縮でき、その分だけ企業は新しい挑戦の機会を得られるようになるのだ。

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