怪しい金融商品や情報商材、著名ブランドをかたる偽物商品──。そんなデジタル広告を、多くの人が当たり前のように見ているのではないだろうか。あまりに日常的になりすぎて、見ていないことにしてSNSを使い続けている人もいるだろう。
ここ数カ月は著名人、特にネットで話題になりやすい人物の写真を用いた広告が頻繁に表示されていたが、詐欺商品の販売サイトなどに慣れているせいか「また新手の詐欺広告が増えた」くらいに捉えていた人も多いかもしれない。
その手段はあからさまで、テニスが好きでよく話題にしている人のところには、大坂なおみさんが呼び掛けるタイトルと写真で誘引している。投資や資産運用に興味がある人ならば、村上世彰さんの写真とともに投資関連情報と思しきサイトへの広告が。堀江貴文さんもご登場する広告は多い。
クリックした先にあるWebサイトの構成はさまざまだ。ここでは深くは言及しないが、最終的にLINEなどでユーザーとつながりを持つタイプや、情報商材の販売、あるいは特定ブランドの商品専門サイトに見せかけた偽物の安売りサイトに誘導するものなどもある。
肖像を勝手に使われている本人にしてみれば、黙って見過ごせないだろうが、Facebookでこの手の広告を見慣れている人は、単に不快だと思ってオプトアウトするか、あるいは無視しているだけということが少なくないはずだ。
これまで具体的に抗議する例はあまり耳にしなかったが、前澤友作さんの行動には注目が集まっていた。前澤さんは、肖像権などを侵害した広告に立腹しているだけでなく、法的手続きを進めることを表明。「Facebook社を責任追及します」という投稿についてはニュースにもなっている。
皆さんは、このニュースをご覧になって「なぜFacebook(Meta)は自分たちのサービス利用者をだまそうとしている広告主を放置しているのか?」と、疑問に思っていないだろうか。
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