先日、「働かないおじさん問題」をテーマとしたおもしろいインタビューを受けました。これまで何度も取材を受けたテーマですが、20代後半のインタビュアーA氏の第一声がいい意味で、衝撃でした。
「『なぜ、中高年がやる気を失うのか』を私なりに考えてみたのですが、ハラスメントへの気苦労も影響してますよね? もしかしたら、いちばん生きづらさを感じているのは、中高年じゃないのかなぁと」(A氏)
いやはや驚きました。このような気遣いをされたのは初体験です。
これまでの取材やインタビューでは、最初から「働かないおじさん」を厄介者扱いし「働かないおじさんだけじゃなく、働かないおばさんもいますよね?!」「働かないおじさんって、なんであんなに偉そうなんですか?」「働かないおじさん、マジでむかつきます!」などなど、不平不満をこれでもか! と聞かされました。
あまりのいいように「おじさんたちをディスっているあなた方も、近い将来そうやって言われてしまうのですよ?」と反論したくなることもしばしば。しかも、今回はA氏の質問に中高年側の葛藤をあれこれ答えていたところ「(中高年社員は)そんなに気を使わないで、もっといろいろと教えてほしい」と、温かいお言葉まで!
とにもかくにも、今回ばかりは中高年たちの肩をガッツリつかんで「しっかりしろ!!」と叫びたくなりました。
確かにこれまでも、30代後半など働き盛りの社員たちから「もっと40代、50代にサポートしてもらいたい」「会社は若手育成だと言って、僕ら世代にいろいろ任せるけれど、上の世代に教えてもらいたいのに、明らかに遠慮している」「高い給料をもらっているのに働かない先輩社員を疎ましく思う気持ちがある一方で、もっと上の世代と若い世代が一緒になって仕事をした方がいいんじゃないかって思う」といった意見を聞くことはありました。
個人的な話になればなるほど、中高年社員に敬意と尊敬の念を抱く気持ちを話してくれたのです。
中高年のシニア社員たちが考える以上に、若い社員たちは50代に力になってほしいと思っている。自身の自己評価よりも50代社員を評価し、期待しています。
「ハラスメントにならないか?」と気遣うのは大いに結構ですが(気にしすぎるくらい気にしていいです)、ハラスメントになったら嫌だだから「なるべく関わるのはやめよう」と自分にリミットをかけるのは、自らやる気の芽をつぶすようなものです。
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