最低賃金1500円に上げれば解決? “そこじゃない感”が拭い切れないワケ働き方の見取り図(2/4 ページ)

» 2023年09月25日 07時00分 公開
[川上敬太郎ITmedia]

非正規雇用を一括りにできない理由

 総務省の労働力調査によると、23年4〜6月平均で非正規雇用者が占める割合は36%で2090万人、正規雇用者は64%で3652万人です。

非正規雇用者が占める割合(23年4〜6月平均、労働力調査より)

 さらに、非正規雇用者全体を100%とすると、内訳はパートが48%、アルバイトが21%と、パートとアルバイトだけで約7割を占めています。続けて比率が高い順に、契約社員14%、派遣社員7%、嘱託5%です。グラフにすると以下のようになります。

非正規雇用者の内訳(労働力調査より)

 一括りに非正規雇用者といっても、その内実は多種多様なのです。また、それぞれの雇用形態ごとに、年齢や性別などの属性が大きく異なっています。同じく労働力調査の23年4〜6月平均のデータをもとに、雇用形態ごとの年齢階級・配偶関係・性別を見ると以下のようになります。

非正規雇用者の「年齢」内訳(労働力調査より筆者作成)
非正規雇用者の「配偶関係」内訳(労働力調査より筆者作成)
非正規雇用者の「性別」内訳(労働力調査より筆者作成)

 まず、特徴的なのがパート層。87%が女性でかつ有配偶者が75%を占めています。そこから、主な属性がいわゆる主婦層であることが見えてきます。

 また、アルバイトは半数近い49%が15〜24歳で、かつ未婚者が67%であることから、学生層が主な属性だと考えられます。さらに嘱託は、55〜64歳が46%、65歳以上が32%であることから、主な属性はシニア層です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.