メタはQuestからMeta AIを呼び出し、ハンズフリーでさまざまなアシスタント機能を利用可能にするとのこと。さらにマイクロソフトbingと連携し、ネットを検索して最新情報についてもアクセス可能にする。
そしてエンドユーザーや企業が構築したカスタムのAIキャラクターが、メタバースの中にユーザーと共存していく世界を描いている。無味乾燥なLLMチャットではなく、個性的なAIキャラクターがメタバース世界を彩るというコンセプトもまた、他のテック企業大手とは異なる価値観、発想といえるだろう。
基調講演でマーク・ザッカーバーグ氏は「素晴らしい現実の世界と、私たちが築き発展させようとしているデジタル世界。それらを組み合わせ、より優れた活気のある世界に“織り上げようとしている”ことを、今回発表したいくつかの要素から感じてもらえるとうれしい」と話した。
イベントでは日本では発売されないRay-banのスマートグラスも発表した。同社としては2世代目のスマートグラスだが、音質・音圧に加え、かけ心地も改善。1080Pで動画撮影もできるカメラは高画質で、Instagram Liveをスマートフォンでやりながら、フレームをタップするだけでユーザーの視野に映像が切り替わるなどの仕掛けが斬新だ。
Quest 3でもバーチャルオプジェクトを自分の部屋の棚に置くなどの提案を行っているが、将来的な物理空間と仮想空間の融合した世界観を体験してもらう入り口にもなるだろう。それを目的に購入するものではないが、ゲームが入り口だったとしても、MRでの体験がユーザーの感性を刺激し、次世代につながっていくならば意味がある。かつてのゲーム機やパソコンも、そうして未来のクリエイターやエンジニアを育ててきた。
ザッカーバーグ氏は「未来を築くためには技術的に可能にするだけでは不十分だ。誰もが手頃な価格で入手できるものとし、画期的なイノベーションに全員が触れるものにしなければならない。われわれにとって、そのことは最先端の技術をさらに前進させることと同じくらい重要だ。なぜなら、それらに触れた人たちの斬新なエネルギーと創造性に、われわれ自身が学べるからだ」と基調講演を締めた。
ザッカーバーグ氏のメタバースをめぐる旅はまだまだ続くだろうが、決して諦めないという強い決意がそこにはある。
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