それでは、いよいよ見てきた「作って」「食べる」2つの指標をもとに、最もカレーを作って食べている「カレー県」総合ランキングです。評価方法はシンプルに、両方のランキングの1位を50点、47位を4点とし、それらを合算して100点満点と致します。
総合1位は石川が獲得、2位と3位にはこの手のランキングではなかなか上位に来ない鳥取と島根が、生産・消費ともに高スコアでそろって飛び込んで来ました。また、1〜5位が日本海側、6位の北海道と8位の佐賀まで大ざっぱに含めると1〜8位までが広義に日本海側に接している結果となりました。
この結果に対して、少し考察しておきたいと思います。
(1)「米どころ」
まず北海道、東北、北陸と並んだ県とカレーと聞いて、思い浮かぶのは相棒である「米どころ」が多い、もしくは近いということです。新潟、北海道、山形などは収穫量もトップクラスですが、2位の鳥取なども中国山地から日本海に注ぐ清流が豊富なため、おいしい米どころとして知られています。
かつての国名、県東部の因幡は稲葉とも記載され、県西部の米子市も米に由来すると伝わっており「もともとうまい米が更に“はかどる”カレーライスも好き」という理由はあり得そうです。特に鳥取の場合、付け合わせのらっきょうも名物ですしね。
(2)「共働き世帯」
他に考えられるのが、カレーと共働き世帯は相性が良さそう、ということです。下記のランキングは令和4年の就業構造基本調査から著者が作成した、各都道府県における共働き世帯の割合です。
完全に一致しているわけではないですが、比較してみると共働き世帯割合で上位に来ている県は総合ランキングでもかなり上位にいることが多いことが分かります。本を読みながら簡単に食べやすいからという理由で神保町が本とカレーの街になったように、昔から共働きで忙しい両親が手早く出先や出前でカレーを食べたり、作り置きのカレーが各食卓で重宝されたりといった風景が浮かんでくるようです。
以上、最もカレーを作って食べている「カレー県」の都道府県別ランキングでした。ちょっと意外なラインアップでしたが、理由を考えてみると納得の結果だった気がします。それではまた別の機会に。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR