ソニー銀行は同社のDXの取り組みとして、ドーモ(東京都渋谷区)が提供するBIツール「Domo」の導入事例を発表した。同社はDomoの導入以降、従業員のデータ活用が浸透し業務改善が進展。2022年の経常利益は導入前の18年と比較し122%増加しており、データ活用が業績好調の要因の一つではないか、と説明した。
ソニー銀行では、これまで内部データが社内に散在し、管理が属人化することによる課題を抱えていた。担当者ごとに見ているデータや、そもそものデータの定義が人によって異なり、レポートでの数値報告が人によって違っていたほか、レポート作成にかかる作業が膨大化していたという。
こうした課題を解決すべく、19年にDomoを導入。従来は月次報告のレポート作成に1週間程度を要することもあったが、Domoの導入で数日に短縮されるなど作業効率も改善。営業資料作成の工数も省力化できたと説明した。
ツール活用を社員に浸透させるには、社員によって使いやすく、見やすくすることが欠かせない。同社のIT部門では、ダッシュボードのレイアウト変更やアイコンの追加など、使用感の改善に取り組んできた。その結果、導入時に月に6人だったユーザー数は、今年6月には90人に増加、月間ログイン数は1000件を超えた。
Domoの導入以降、利用率向上に比例して、業績グラフも右肩上がりだ。とりわけ外貨預金は好調で、残高シェアは同社過去最高の約9%となっている。Domoの利用率増加と業績アップの関係について南啓二社長は「直接関連する客観的データはないものの、データ活用が業績に好影響を与えている」とコメントしている。
データアナリティクス部の伊達修部長は「営業部門の社員がリアルタイムの業績を毎日確認する習慣がついたことで、施策の精度も上がってきている」と話す。
データ活用の効率化は、副次的な効果も生んでいる。メディアからソニー銀行に寄せられる問い合わせに対し、リアルタイムのデータを素早く抽出し、約2時間以内に回答できるようになったことで、全国紙に同社のコメントが掲載されるようになった。記事掲載後の翌日には、認知が広まったことで口座開設数が増加することもあったと手応えを話す。
Domoは世界で2600社が活用するBIツールだ。多数の外部システムと接続でき、社内に散在するデータを一画面に集約できるのが強みだ。経営層から現場担当者まで、全ての従業員がデータを確認・分析できる環境の整備を目指す。
同社のプレジデント・ジャパンカントリーマネジャーの川崎友和氏は、世界デジタル競争力ランキングで日本が63カ国中29位であることに触れ「組織や人、オペレーションが変わらないことが日本のデータ活用が進まない要因」と指摘する。
「人材への投資が遅れていた日本で人材育成にようやく火がついた。今後は人材育成からも顧客の全社データ活用を支援したい」(川崎氏)
またDomoでは生成AIを活用したサービス開発も進めている。将来的には、チャットベースで疑問を解決し、顧客インサイトの分析を進められる体験を目指すという。
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