従来のテーマパークとは異なるコンセプトを打ち出した裏には、「テーマパークをアップデートしたい」という目的がある。
森岡氏いわく、エンタメには「ライブエンターテインメント」と「デジタルエンターテインメント」の2種類がある。前者の意義をもっとも体現したものがテーマパークであり、後者はソーシャルゲームや家庭用のゲーム機などだ。
「デジタルの進化によって、多くの人が日々のストレスをゲームで癒やしていると思います。ただ、デジタルが流行るほどライブエンターテインメントの意義は大きくなります。生でしか感じられない良さがあり、非日常世界の中に浸る生の刺激にデジタルはかないません。ただ、テーマパークが変わらなければライブエンターテインメントの未来は細っていくかもしれない」(森岡氏)
人はより快適なものを求めるため、デジタルの市場が広がる。だからこそライブの良さを凝縮し、進化させた新たなテーマパークを生み出す必要がある。テーマパークの繁栄は社会的意義が大きく、エンターテイナーや関連業界、交通、宿泊施設などに大きな経済インパクトをもたらす。森岡氏はそう主張した。
テーマパークのブランドをつくる際、森岡氏は最も核となる価値を設定するという。例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは「興奮」、ハウステンボスでは「憧れ」を売る。そして、イマーシブ・フォート東京では「ライブインテンシティ(ライブならではの刺激の強さ)」を売る。
ちなみに、東京ディズニーランドは「ハピネス(幸せ)」を売っているというのが森岡氏の結論で、100人中60人が最も求める感動が「幸せ」なのだそう。残りの40人が求めるものが「興奮」だという。
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