ChatGPTで実証したとおり、AIが正しく示唆を導くためには「良いデータ」が必須になります。そして組織的にデータを蓄積するためには、全体で一貫したデータ戦略を練り、統一された認識のもとオペレーションが設計・運用されていることが重要です。
当社では、独自のデータ戦略(「TRUE INDEX」)を掲げています。私がGoogleやfreeeに在籍していた際に学んできたデータ基盤の要件をベースとしています。ここからは「AIが活用できるデータ」を貯めるための大事な4つの要素を紹介します。
リアルタイム記録とは、事象が発生したと同時にデータが作成および取得され、遅延なくデータが利用できることです。データの発生源となった業務と同時に、記録されるデータを指します(以下、例)。
データをリアルタイムで蓄積する理由は、常に変化し続ける顧客の状況を捉えるためです。
これまではデータを作るために営業担当が手動で対応する必要があり、入力にラグが発生すればその分数字の集計に時間がかかり、時間の経過により顧客の実際の状況と異なる情報の入力・蓄積につながる恐れがありました。昨今は文字起こしや音声解析といった自動記録の技術進化が進んだことでデータ記録の省力化が可能になり、活用シーンが増えています。今後さらに記録の精度・速度の品質が上がれば、自動記録がデフォルトになっていくのではないかと思います。
シングルインプットとは、一度の記録作業で、漏れや重複なく、データが記録されるべき必要な場所に蓄積されることです。二度打ち・転記を一切しない入力です(以下、例)。
何度もデータの打ち込みや転記が行われることで、ヒューマンエラーによる誤入力や記入漏れが発生しやすくなるだけでなく、本来一度で済むはずの業務に時間が奪われ活動時間が圧迫されます。人の介在を極力減らし、一度の入力で一気にデータが連携されるオペレーションを組むことがポイントです。
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