燃料価格の上昇が一服した。しかしそれは原油価格が下がったわけでも、元売り会社がコストダウンで値下げを実現できたわけでもない。ましてやガソリン税を引き下げたり撤廃したりしたわけでもない。
9月末で終了する予定だった、燃料油に対する補助金の延長を政府が決定したからである。終了に向けて徐々に減額されていた補助金が満額になったことで、それが燃料価格に反映されたということだ。
そもそもガソリンや軽油といった燃料の販売は、他の小売商品と比べると複雑かつ特殊な業態であるともいえる。昔のガソリンスタンド(以下、GS)は単価を掲げているところは少数派だった。だが、幹線道路沿いや都市部のGSが大型化していく中で価格の看板を設置して、ユーザーを呼び込むところが増えてきた。
これは価格の安さをアピールするだけでなく、利用するユーザーに対して「ウチは明朗価格である」という安心感を伝える効果がある。そのため今や、多くのGSが電光掲示式でリアルタイムの価格を表示している。
一方で、看板を掲げていないところもあって、その多くは価格勝負をしていない。というわけで、周辺のライバル店と比べて割安であることはまずない。それでも経営が続けられるのは、法人契約の顧客が多かったり、他の会社(整備工場やタクシー、自動車教習所など)を運営していたり、さまざまな事情があるようだ。
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