会社を取材する前に、準備することがある。過去の記事を読んだり、社長の考えなどを把握したり、業績を調べたりするわけだが、今回は2つの作品が頭の中に浮かんだ。1つは映画『私をスキーに連れてって』、もう1つはアニメ『アルプスの少女ハイジ』である。
『私をスキーに連れてって』が上映されたのは、1987年のこと。バブル経済真っ只中に青春時代を過ごした人から「そういえば、この映画を見て、スキーを始めたなあ」といった声が聞こえてきそうである。データを見ると、そのことがよく分かる。日本のスキー・スノーボート市場規模(レジャー白書2020)を見ると、1997年は1290億円だったが、その後は雪山を転げるように落ちていて、直近10年間は500億〜600億円で推移しているのだ。
市場が小さくなっていくと、当然、スキー場は打撃を受ける。さらに追い打ちをかけるように、新型コロナの感染拡大である。20〜21年にかけて、全国で30カ所のスキー場が休業や廃業に追い込まれたといったニュースが報じられていたが(2022年3月14日 読売新聞オンライン)、雪が解けた季節にもチカラを入れて、人気を集めているところがある。「白馬岩岳マウンテンリゾート」(運営:岩岳リゾート、長野県白馬村)だ。
グリーンシーズン(初夏から秋までの期間)の来場者数を見ると、2013〜17年は2万〜3万人ほどで推移していたが、18年は2倍の6万人に。コロナで凹んだシーズンがあったものの、その後はめきめきと数字を伸ばし、22年は過去最高の20万人、そして今年は「前年を15%ほど上回りそうだ」(同社の担当者)という。
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