雪が解けてしまうと、ひっそりとした場所になってしまうのに、なぜ人が集まって来るのか。岩岳リゾートが選んだ作戦は「何度でも来たくなる仕掛け」である。
17年に「岩岳マウンテンバイク(MTB)パーク」を造設したり、18年に北アルプスを一望できる絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」を開業したり、19年にマウンテンリゾート空間「Iwatake Green Park(岩岳グリーンパーク)」をオープンしたり。
大自然の中で、ピザやコーヒーなどを楽しめる――。これだけでも「ちょっと行ってみるか」といった人が増えそうだが、まだまだある。乗馬体験やヨガなどさまざまなアクティビティーを用意している中で、筆者が気になったモノがある。「ブランコ」だ。
「はあ? ブランコだあ? もっとオシャレなサービスを紹介してくれよ」「テーマパークじゃないんだから。アピールポイントは大自然でしょ」などと思われたかもしれないが、多くの人から人気を集めていて、最大5時間待ちになったことも。
岩岳リゾートは20年に、「ヤッホー!スウィング presented by にゃんこ大戦争」(以下、ヤッホー!スウィング)というブランコを設置。標高1280メートルのところに、高さ3.6メートルの大型ブランコを設けた。約3分間空中を浮遊し、北アルプスの絶景に飛び込むような体験を可能としたのだ。
なぜ標高1300メートルほどのところに大きなブランコを設置したのか。「コロナ禍、多くの人が苦しんでいる中で、苦しいときこそ何かできないかと考えました。お客さんが喜んでもらえるものは何か。コストを抑えつつ、楽しんでもらえるものは何か。アニメ『アルプスの少女ハイジ』に出てくるブランコを想像させるモノであれば面白いかもと考え、設置を進めました」(同社の和田寛社長)
そして、3年後に、再びブランコが登場した。その名は「白馬ジャイアントスイング」。標高1100メートルのところに設置したので、第一弾よりもやや低いが、規模が違う。地面から10メートルの高さに設置して、最大で前方約6メートルの振り幅になる。第一弾のブランコは自力でこぐタイプだが、第二弾は「巻き上げ式」というもの。ブランコの背もたれにワイヤーをかけ、電動で後方に巻き上げてからワイヤーを外して外に飛び出すといった仕組みだ。
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