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「何をしたらいいですか?」 考える前に質問する部下に、正直疲れたQ&A Z世代部下のマネジメント法

» 2023年10月26日 13時15分 公開
[サトウナナミITmedia]

Q&A Z世代部下のマネジメント法

 マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。


Q: 「ここはどうするんですか?」「次は何をしたらいいですか」と、自分で考えるよりも前に説明を求め続けるメンバーの対応に、正直なところ疲れてしまいました。自分でやった方が早いと考えてしまいます。

 全てを懇切丁寧に説明しないと分かってもらえないのでしょうか? どのように対応するか迷っています。

photo 細かい説明を求め続けるメンバー どう対応する?(画像はイメージ、提供:写真AC)

全て説明が必要な部下 どう対応すべき?

A: 手間に感じても丁寧に説明することで信頼を得られます。ここでしっかり対応しておくと、後々頼れる部下に成長するでしょう。一方で、信頼を得られたと思ったら「自分で考えてみて」とアドバイスしてみることも重要です。

 細かいことまで説明しなければならないとなると、途中で手間になり「自分でやった方が早い」と思ってしまうことはよくあります。

 たとえ手間に感じても、細かい説明を求めるメンバーに対して、徹底的に説明することは重要です。メンバーは、質問したときの上司の対応をよく観察していることが多いためです。

 ここで説明を省略する上司は、決して高くは評価されないでしょう。一方で、丁寧に説明してくれる上司には信頼を寄せてくれるのです。面倒な部分もあるかもしれませんが、こういった場面でしっかり対応しておくことで、頼れる部下に育てることができます。

 また「なぜ細かい説明を求め続けるのか」という側面に目を向けると、前向きな視点で捉えられます。細かい説明を求めるメンバーは、責任感が非常に強いため、自分が担当した仕事を徹底的に遂行し丁寧に仕上げたいという気持ちから、質問が細かくなりがちなのです。その責任感を理解できれば、細かな説明に対処する手間に対しても、折り合いがつけやすくなるでしょう。

 一方で、質問が続くようなら逆質問を用いることも有効です。「あなただったらどう思いますか?」と尋ね、メンバーが自分の考えを述べた後で説明をすると良いでしょう。上司と部下の意見が一致することで、部下は自信がつき、自力で対処する能力も向上します。

 自力で課題を解決できる能力を養わせることは確かに重要ですが、最初から「自分で考えて」と言ってしまうと、「全く相談に乗ってくれない上司」と受け止められてしまいます。繰り返し説明を行うことで、信頼関係を築けます。その上で時折「自分で考えてみて」とアドバイスしてみましょう。

話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)

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リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員 

入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。

書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)

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