4月にロッテリアを買収したゼンショーホールディングス(HD)が新ブランド「ゼッテリア」を展開している。単にロッテリアの名称を変えただけではなく、メニューも異なる。9月に東京・芝浦で1号店をオープンし、10月26日には埼玉県内に2号店も展開。牛丼チェーン「すき家」で知られるゼンショーHDは、なぜロッテリアを買収したのか。そしてなぜ、ゼッテリアとして新業態を模索しているのか。メニュー構成や店舗の特徴から、その意図を探ってみた。
ロッテリアの歴史を振り返ってみよう。マクドナルドが日本に上陸した翌年の1972年にロッテリアは1号店(東京・日本橋)をオープンした。ロッテ財閥の傘下として創業したが、韓国での展開は意外にも遅く79年まで時間が空いている。日本におけるバーガーチェーンの黎明期とあって、ロッテリアは77年に100号店を達成。84年には400号店を達成するなどかなりの成長を見せた。
しかし、その後は成長が鈍化。2009年のピーク時には500店舗を超えたものの、日本ソフト販売の調査では23年4月時点で308店舗体制まで縮小した。同調査によると、マクドナルド(2951店舗)、モスバーガー(1281店舗)、ケンタッキーフライドチキン(1194店舗)に次いで4位ではあるが、上位3チェーンに大差をつけられている。
縮小の原因を突き詰めると利益を成長させられなかったことに行き当たる。しかし、そもそもの理由は中途半端な品質と価格設定による客離れともされる。マクドナルドよりも高価格帯である一方、あまり値段の変わらないモスバーガーと比較して手作り感にはやや劣るイメージだ。
安さを求める客層と品質を求める客層、相反するそれぞれをマクドナルドとモスバーガーに取られてしまったようだ。ちなみに日本から一足遅れて展開した韓国では、現在約1300店舗を展開し、マクドナルドの3倍という規模を誇っている。
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