初任給を大幅に引き上げる動きがベンチャー企業で出てきました。人材事業やWebメディア事業などを手掛けるレバレジーズ(東京都渋谷区)は9月、2025卒を対象に初任給を従来の28万円から35万円に引き上げると発表しました。
一方で、この35万円には残業代80時間分(13万7780円)を含んでいることから、その設定の是非について大きな議論となりました。サイバーエージェントが昨年、残業代80時間分を含んだ形で新卒の初任給(42万円)を設定したのも記憶に新しいかと思います。
このような、固定残業時間と大幅な初任給引き上げを実行する企業の狙いは何なのでしょうか? このような給与設計を採用する企業は今後増えるのでしょうか? 残業80時間の法的な問題は? などを実際の裁判例を交えながら解説していきます。
そもそも固定残業代とは、公的な言葉ではありません。あらかじめ一定の残業代を〇〇手当のように定額で支払うものを指し、定額残業代、見なし残業代など呼称はさまざまです。
固定残業代という形で残業代を払うこと自体は違法ではありません。しかし、会社が事前の説明をせずに後から基本給に固定残業代が含まれているなどの主張をしたり、固定残業代さえ払っておけば残業させ放題と誤認したりするケースが後を絶たず、そのような事情から一般的にややネガティブな受け止めがあります。
企業は採用段階でしっかりと候補者に説明することが必須です。実際に固定残業代を設定している企業は以下の図表1〜3の点について周知のうえ、正しく運用しましょう。
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