新生モーターショー ホンダの展示に見た、実用化への執念鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)

» 2023年11月04日 08時00分 公開
[鈴木ケンイチITmedia]

「モビリティショー」だからこそ強いホンダ

 さて、ショー全体の変化を見ると、今回のJMS2023で個人的に内容が充実していたなと思ったのはホンダでした。

 そもそもホンダは、テーマが「モビリティ」になった時点で有利です。同社はオートバイメーカーとして創業し、自動車へ進出。それと並行して、船外機や農機具なども作るようになりました。さらにはホンダジェットという飛行機まで販売しています。

 今回のホンダのブースには、実寸大のホンダジェットの機体(本体のみ)が飾られていました。これは22年10月に発表された「HondaJet Elite II」というアップグレードバージョンで、その姿はまさに圧巻! 展示会場では、室内に乗り込むこともできます。

jmsh ホンダのブースでひときわ目を引くのが実物大「HondaJet Elite II」(著者撮影)

 さらに空のモビリティ「Honda eVTOL(イーブイトール)」の模型も展示されています。これは21年9月に発表済みのもので、現在、開発が進んでいるホンダの空飛ぶクルマです。前述の通り、ホンダはすでに飛行機を販売しているメーカーですから、空関係の展示の充実度は間違いなくナンバー1と言えるものでした。

jmsh ホンダが開発中の空飛ぶクルマ「Honda eVTOL」(著者撮影)

 また、オートバイメーカーとして創業したホンダは、小さな乗り物も得意分野です。再生樹脂から作られた「Pocket Concept(ポケットコンセプト)」や、交換式バッテリーの「SC e:Concept(エスシー・イー・コンセプト)」といったEVバイク。もっと小さな個人向けのモビリティである「UNI-ONE(ユニワン)」も出品されていました。

 さらに、技術的な展示が多いのもホンダブースの特徴。アバターロボットや燃料電池モジュール、バッテリー交換ステーション、可搬型外部給電機がそろっていました。

jmsh 2人乗りの小型自動運転車「CI-MEV」(著者撮影)
jmsh EVバイクの「SC e:Concept」と交換式バッテリー(著者撮影)
jmsh 個人向けモビリティ「UNI-ONE」。西ホールの試乗コーナーで撮影

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.