トヨタ自動車が発表した新型ランドクルーザー「250シリーズ」は、中核モデル「プラド」の後継で、14年ぶりのフルモデルチェンジとなる。これまでのプラドが「高級」「豪華」という路線を走る中で、豊田章男前社長は「そもそもランクルは悪路を走破し、人々の生活を支えるためのクルマであるべきだ。ユーザーが求める本来の姿に戻す必要がある」と、開発陣に「原点回帰」を求めた。
原点回帰とはどういうことなのか。「『70シリーズ』のようなモデルを新しく作るのか?」「レトロなデザインにすればいいのか?」。さまざまな解釈が生まれる中で、開発陣は「質実剛健を追求し、ユーザーの生活と実用を支え信頼されるクルマ」というコンセプトにたどり着いた。これまでの高級や豪華というイメージをそぎ落とし、ランクル本来のあるべき姿に立ち返ることを決めたのだ。
同社のサイモン・ハンフリーズ氏(デザイン領域統括部長)は「今回の『原点回帰』という指示は、開発陣にとってリセットボタンだった」と振り返る。開発に当たり、トヨタのポートフォリオにおけるランクルの存在意義を、あらゆる側面から見つめ直したという。「令和の時代にランクルの価値を体現するため、ゼロから再設計したのです」
こうして再設計した新型の250シリーズは、「走り」や「操作性」などを極めつつ、シンプルで質実剛健なデザインに仕上がった。GA-Fプラットフォームを採用し、ランクルの代名詞である走破性はフラッグシップモデル「300シリーズ」と同レベルを実現。ランクル初となる電動パワーステアリングも採用し、オンロードでの操作性・快適性を高めつつ、オフロードでのキックバックを低減している。
パワートレーンにはランクル初のハイブリッドシステムを導入。耐久性は維持しつつ、燃費とパフォーマンスを向上することは、サイモン氏いわく「ハッキリ言って超難題だった」という。その他、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に採用し、安全性能も高めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング