ハンバーガーはゼンショーの悲願? 新業態・ゼッテリアで注目すべき「価格」と「商品」長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)

» 2023年11月07日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

「フェアトレード」も訴求

 フェアトレードのコーヒーが、ホット・アイスともにSサイズ150円、Mサイズ270円というのもゼッテリアの売りだ。150円のホットティーや、Sサイズ150円、Mサイズ270円で提供するアイスティーも、フェアトレードの商品である。

 ロッテリアのコーヒーは、ホット、アイスともに280円だったので、半値に近いSサイズが加わることでより買い求めやすくなった。味もゼッテリアの商品は苦みが少なく、スッキリとしている。

 ゼンショーグループは、これまでモリバコーヒーというチェーンでフェアトレードコーヒーを販売してきた。近年は、すき家・はま寿司などの看板業態でも出すようになっている。国内外3000以上の店舗で、フェアトレードで購買した安全かつ高品質なコーヒー豆や紅茶の茶葉を使った商品を提供・販売することで、発展途上国の生産者に正当な収入をもたらし、生活の向上と経済的な自立を支えている。

 22年12月時点で、有機JAS認証を取得したコーヒー豆を、東ティモール・メキシコ・ペルー・エクアドル・ニカラグア・ルワンダ・タンザニア・ウガンダから調達。紅茶はスリランカ、ネパールから、ルイボスティーは南アフリカから調達している。

 ゼッテリアではオープンから午前10時30分まで、モーニングサービスを実施。「ソーセージマフィン」がメインとなっており、単品290円、ドリンクSとのセット390円、ドリンクSとベイクドポッフル(ワッフルタイプのハッシュドポテト)を付けたセット490円で販売している。「ワッフル(シロップ&マーガリン付き)」も同じ値段設定だ。えびバーガーやタルタルチキンバーガーもあり、それぞれ単品で前者が420円、後者が340円。

 モーニングは外食各社が工夫を凝らしているが、ゼッテリアでもワンコイン以内でセットの利用が可能で、よりお得な価格となっている。モーニングでのみ提供される、ソーセージマフィン、ベイクドポッフル、ワッフルといった商品群があるのも魅力だ。

 このように、ゼッテリアはロッテリアをベースに、競合他社に打ち勝てる商品開発や、ゼンショーらしい飢餓と貧困の撲滅に寄与するフェアトレードのドリンクという価値を付加して、進化させたものといえるだろう。

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