米OpenAIはサム・アルトマンCEOが退任すると発表した。同社の最高技術責任者(CTO)であるミラ・ムラティ氏が暫定CEOに就任する。同社はアルトマン氏の辞任について、取締役会による審議プロセスを経たものだと説明している。
同氏は6月に来日し慶應義塾大学で学生に向けて講演するなど、世界各国を行脚。生成AIの“顔”として注目されてきた。慶応大学で「生成AIで人類はよりクリエイティブになる」と述べたのは印象的だ。
OpenAIのプレスリリースでは退任の理由について「同氏は取締役会とのコミュニケーションにおいて常に率直でなく、取締役会の責任を果たす能力を妨げているとの結論に達した。 取締役会はもはや、同氏が今後もOpenAIをリードし続ける能力があることに自信を持てない」とされている。
暫定CEOとなるミラ・ムラティ氏は同社の経営陣(リーダーシップチーム)として5年間、重要な役割を果たしてきた。独自のスキルセットを持ち、会社の価値観、運営、ビジネスを理解していて、すでに会社の研究、製品、安全部門を率いているという。暫定CEOとなる理由については「彼女の在任期間が長く、AIガバナンスとポリシーにおける経験を含め、会社のあらゆる側面と緊密に関わってきたことを考慮すると、取締役会は彼女がその役割に適任であると信じている」としている。
取締役会は声明文で次のように述べている。
「私たちが前進するためには新しいリーダーシップが必要であると信じています。 会社の研究、製品、安全部門のリーダーとして、ミラは暫定CEOの役割に就くのに非常に適任です。 私たちは、この過渡期にOpenAIをリードする彼女の能力に最大限の自信を持っています」
OpenAIの取締役会はOpenAIのチーフサイエンティストであるIlya Sutskever氏、米QuoraのCEOで独立取締役のAdam D’Angelo氏、テクノロジー起業家のTasha McCauley氏、Helen Toner氏で構成されている。
OpenAIは、2015年に非営利団体として設立。19年に資金調達できるように組織を再編した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング