これらのリニューアルに共通しているのは「コスパ」の良さだ。
今回値下げしたメニューについて、一部ライスの量が減っているものはあるが、基本的に量や質に変更はない。純粋な値下げをすることで、コスパの良さをアピールする。
小皿メニューの拡充については、自分にとってちょうどよい量を組み合わせられることで「選びやすい」というコスパを感じてもらうのが目的だ。1人での利用だけでなく、ファミリーやグループでシェアするなど、あらゆる動機での利用に対応してく。
がっつりメニューについては、お腹いっぱい食事を楽しみたいという利用動機に対応するのが狙いだという。これは、価格の割にお腹がいっぱいになるというコスパの良さと理解して問題ないだろう。
これらの狙いについては、同社が11月10日に発表した決算説明会資料にも記されている。売り上げ成長に向けた戦略・実験として、「厳選した駅前出店」「自社カニバリ解消」などとともに、「コスパニーズへの対応」を掲げている。
現在、外食チェーンに限らず、幅広い業界で値上げラッシュが続いている。こうした状況で値下げをすると、売上高や利益率に悪影響が出そうだが、勝算はあるのだろうか。
広報担当者によると、今回のメニュー改定はアルコールやサイドメニューが中心になっており、複数の皿を組み合わせて食べることで、単価や売り上げに貢献するようになっているという。
また、利用客が外食に求めるものが変化していることも、改定の背景にある。
「お客さまは、おなかを満たすだけでなく、以前にも増して外食に楽しさを求めていると考えています。ファミリーレストランとして、さまざまな動機に応じた選ぶ楽しさをご提供することが使命と感じています。
今回、ピザやアルコール、サイドメニューなどシェアできる商品群を中心に30品目で値下げさせていただきました。物価高騰の状況下でもファミリーやグループでのご利用など、シェアや組み合わせをしながら外食を楽しんでいただくことを期待しております」(広報担当者)
30品目を値下げした背景には、こうした戦略があった。大幅な改定により、売り上げを成長させられるか。
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