人手不足を背景に業務のマルチタスク(同時並行)化が叫ばれる中、専門職による分業が一般的な外資系の傘下ホテルにもマルチタスクを導入した。
「立派な建物に専門スタッフを置くのが現代のホテルだが、それでは人件費がかさむし、外部委託すれば仕事の質を保てないことも多い。いざというときに臨機応変にできる社員を自社で育てることが重要。これは“何でも屋”として仕事をこなしてきた私が自ら体現してきたことだ」
一方で業界や経済団体の活動にも注力。洲本商工会議所は副会頭を経て平成22年に会頭に就き、令和4年まで12年間務めた。淡路島の観光団体が一体的に動ける組織体制をつくろうと、3つに分かれていた観光協会を一つにまとめ、平成22年からは淡路島観光協会の初代会長も担った。
「リーダーとして実現しなければ」と力を入れてきたのは食の魅力発信だ。地域振興にかけた思いは、成し遂げてきたホテル再生の事業と共通している。山田啓二・前京都府知事と協力し、淡路島産のハモを京都の祇園祭に合わせてPRする恒例行事「はも道中」を始めた。通常2年で出荷される養殖フグをさらに1年長く育てた「淡路島3年とらふぐ」も、関係者向けの試食会を催すなど冬の味覚として発信を強化した。
「景色や温泉だけでなく、四季折々の食を打ち出したことで、それを目的に訪れる客が増えてきたことがうれしい」と胸を張る。
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