唐揚げ専門店の倒産が急増している。帝国データバンクが調査結果を発表し、2023年1〜11月に22件の倒産があったことが分かった。
これまで、年間の最多倒産件数は21年の6件だったが、11月までで既に上回った。唐揚げ専門店は小規模な事業者が多いことから、水面下での閉店などを含めるとより多くの唐揚げ店が市場から淘汰されているとみられる。
苦境の背景には、唐揚げ店の急増による競争激化のほか、持ち帰り唐揚げのコストパフォーマンスが低下している点も挙げられる。主要唐揚げチェーン店での価格は3個で340円ほどなのに対し、スーパーやコンビニなどは3割ほど安く220円前後、市販の冷凍唐揚げは170円程度になっている。
主要な原材料である輸入鶏肉や食用油の価格高騰が続いている一方、唐揚げには安価なイメージもあり、値上げに踏み切りにくい。客離れの懸念と、仕入価格高騰による収益減の板挟みとなり経営破綻する唐揚げ店も少なくないようだ。
一方、唐揚げ自体の人気は根強く、帝国データバンクは「ポストコロナで外食需要が回復するなど競争も激化する中で『揚げたて』以外の付加価値が提供できない専門店で淘汰が進むとみられる」とコメントしている。
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