「コストコの駅ナカ店」会員が1万人を突破 西武線で人気を集めた、2つの理由水曜日に「へえ」な話(4/5 ページ)

» 2023年12月13日 08時30分 公開
[土肥義則ITmedia]

鉄道を使って配送

 ロッカーの話が長くなってしまったが、ボピスタの事業をうまく回せている、2つめの理由は何か。「物流」である。

 利用者がコストコの商品を注文すると、その情報はピッキング担当者に送信される。担当者は、コストコ入間倉庫店で「コレとコレを買って」といった感じで、一般客と同じように商品をカートに入れていく。ピッキングを終えた商品は、所沢駅に運ばれ、そこから各拠点に送られる。

(出典:西武HD)
(出典:西武HD)

 さて、所沢駅からどのように配送しているのか。トラックでもなく、バイクでもなく、自転車でもない。西武鉄道だ。配送者は大型のリュックを背負って、そこに商品を詰めて、目的の駅まで行く。商品が多いときには、キャスター付きのバックを使うこともあるそうだ。

 実証実験の中でさまざまな方法を試したところ、環境面でもコスト面でも「クルマ<鉄道」という結果が出た。カンのスルドイ読者であれば、もうお分かりだろうが、またまた“空気”の登場だ。

 「ロッカーのときと同じ考え方だよね。空気を運ぶよりも、なにか運んだほうがよいよね」と感じられたかもしれないが、気になることも。事業がまだ本格化していないので、商品を運ぶ量は限定的である。しかし、利用者がどんどん増えて、配送量がいまのキャパを超えた場合、どのように対応するのか。

 事業を担当している城戸大祐さん(経営企画本部)は「列車の中に荷物を運ぶスペースを設けるか、1車両そのものに荷物を載せることも考えられる」という。利用客が少ない沿線であればそれもアリかもしれないが、そうでない西武線で強引に荷物を詰め込むのは、やや昭和的な香りがする。

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