さまざまな機能を搭載したスマートロッカーは便利そうに感じるが、懸念もある。カニバリだ。ロッカーに荷物を預けようとしたけれど、どこも空いていなかったのであきらめたことがある人も多いはず。
ボピスタの場合、「一時預かり+常温+冷温」に対応しているので、荷物を預けたくても預けられない事態が頻発するのではないか。利用者サイドに立てば「不便だなあ。また空いてないよ」と感じるわけだし、事業者サイドに立てば「売り上げが減るのではないか」といった話になる。
スマートロッカーを導入するにあたって、担当者もそうした不安を感じていたそうだが、実証実験を繰り返して、どのような結果が出たのか。「売り上げアップ」である(数字は非公表)。
なぜ伸ばせたのかというと、料金設定を変えたことが大きい。従来のロッカーは、1回につき「〇〇円」といったケースが多い。20分預けようが、1時間預けようが、3時間預けようが、上限時間内であれば同じ金額である。しかし、ボピスタの場合、利用時間に応じて料金を変えた。結果、1人当たりの利用金額がアップしたというのだ。
売り上げが伸びた要因は、ほかにもある。駅のロッカーの場合、利用客が多いのは主要駅である。一方、近くに住宅地がある駅の利用は少ない。利用者が少ないということは、いわば“空気”を預かっていることになる。
運営側としては「全ての駅のロッカーで、たくさんの人に利用してもらいたい」わけだが、コストコなどの商品を扱うことによって、これまでの動きに変化が見られた。例えば、たくさんのパンが詰まった商品は、どこで受け取るのか。会社ではなく、自宅で食べる人が多いようで、都心から離れた駅での利用が増えたのだ。
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