スシローが「デジタル回転レーン」で狙う顧客体験とは? 家族と一緒に行って分かったDXの最前線(4/5 ページ)

» 2023年12月16日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

「トリビア」なコンテンツも

 画面上のレーンを流れるのは寿司やデザートだけではない。「クイズ スシローの秘密 まぐろ編(画面をタップするとスタートするよ!)」という看板のようなものも登場する。

 気になった長男が触ってみると、デジタルレーンの上部に、「スシローで提供しているまぐろはどのような漁法で釣りあげているでしょうか?」という問題文と「A:巻き網漁」「B:はえ縄漁」「C:一本釣り」という選択肢が登場した。

 図鑑的なコンテンツもある。レーン上に流れてきた「はまちのひみつ」を触ると、ユニークなイラストと解説文が表示された。「はまちは大きさによって名前が変わる魚なんだ」というコメントに加え、「もじゃこ」「つばす」「はまち」「めじろ」「ぶり」という呼び名が表示された。

 このように、デジローは教育的なコンテンツも用意している。

 スシロー新宿西口店では、外国人観光客と思われるグループをいくつか見かけた。

 印象的だったのは、デジローを操作している姿を楽しそうに動画撮影しているグループがいたことだ。デジローの存在をアピールすれば、インバウンド需要も獲得できる可能性を感じた。

家族で楽しむイメージ(出所:スシロー公式Webサイト)

気になった点は?

 これまで主にデジローのメリットを紹介してきたが、いくつか気になる点もあった。

 まず、画面上には回転レーンだけでなく、「商品メニューを開く」「注文する」といったメニューがいくつも表示されている。キャンペーン情報がどんどん登場するだけでなく、頻繁にゲームモードに画面が切り替わる。画面上の情報量が多いので、妻は「目が疲れる」と話していた。確かにエンタメ性は高いのだが、「落ち着かない」という感想を抱く人もいるかもしれない。

 また、スシロー店舗では、座席の位置によっては店内放送などの音量が気になるケースもある。もし、デジロー導入店舗が増えるとしたら、大音量に加えてあちこちの大型画面が目に飛び込んでくるので「ゲームセンターに来たようだ」と感じる人も出てくるのではないだろうか。

2人同時で操作可能(出所:スシロー公式Webサイト)

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