X、Threads、BeReal……百花繚乱のSNS、2024年に勢力を伸ばすのは?2023年、話題になった「あれ」どうなった?(1/3 ページ)

» 2023年12月26日 07時00分 公開
[鈴木朋子ITmedia]

 2023年はSNSにとって大きなインパクトを残した年となった。「Twitter」の消滅、「X」に衣替えをした後の混乱。その間隙を突いて台頭した「Threads」。Z世代の若者の間で人気に火が付いた、盛らないSNS「BeReal」――。

 激動の1年となったSNSを巡る動きは、利用者や社会にどのような影響をもたらしたのか。それぞれ、どのようなビジネス戦略で勢力を拡大しようとしているのか。百花繚乱の様相を呈するSNSの24年の動きを占った。

百花繚乱SNSの24年の動きを占う(ゲッティイメージズ)

著者プロフィール:鈴木朋子(すずき・ともこ)

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ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー。日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(現 株式会社日立ソリューションズ)にてシステムエンジニア業務に従事したのち、フリーランスとして活動を開始。

ITジャーナリストとして、身近なITサービス全般に関する記事を執筆している。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとしての記事執筆や講演、企業のSNS活用を支援するSNSコンサルタントも行う。


 主要SNSの一つであるTwitterは23年7月24日、Xへと名称を変更し、ユーザーに愛されていた青い鳥のロゴも撤廃、黒い背景にX文字が浮かぶロゴへと変貌を遂げた。旧Twitter本社から青い鳥の看板が外されてXの文字が光り輝く様子はXで拡散され、嘆きの声も多く聞かれた。

 Twitterの名前の由来は「tweet」(さえずる)から来ている。日本語では当初「つぶやき」と訳されていたため、独り言を投稿する場として使われることも多いが、「今起きていること」を共有するプラットフォームでもある、自由と希望と無限の可能性を持って空高く飛び立つ青い鳥は、米国の起業家イーロン・マスク氏の買収によりわれわれの元から飛び去ってしまった。

 名称やロゴだけでなく、サービスの仕様も変化した。かつてTwitterに認証されたアカウントだけに付与されていた青いチェックマークは剥奪され、有料サブスクリプション契約をしているアカウントに付けられた。

X、24年は日本市場にビジネス本格展開か?

 有料サブスクリプションのプランは、現在「ベーシック」「プレミアム」「プレミアムプラス」の3つが提供されている。ベーシックではポスト(投稿)の編集や140文字以上のポストができるなどの機能があり、プレミアムとプレミアムプラスはXから広告収益の分配を受けられる「クリエイター広告収益分配プログラム」(Creator Ads Revenue Sharing)などの権利を得られる。

Xの「プレミアムプラス」についての説明(出所:筆者)

 Xを見ていると、クリエイター広告収益分配プログラムで報酬を得ている人もいる。一部のユーザーにとっては嬉しいプログラムだが、本プログラム開始により「インプレッション稼ぎ」とみられるアカウントも多く見かけるようになった。バズっているポストについた外国語やたどたどしい日本語のリプライを見たことがあるだろう。広告収益の分配はマスク氏による大きな改革だったが、今後のコンテンツの質が懸念される動きだ。

 12月初旬に入り、XのCEOに就任したリンダ・ヤッカリーノ氏が来日した。日本にアプリ開発拠点を設ける計画があると述べ、日本のマーケットに力を入れていく意向を示した。18年12月にTwitter Japanが行ったメディア向け説明会では、日本は米国に続き世界第2位のマーケットであり、全世界で最も成長率が高かったことが明かされている。それから5年の月日が経ったが、やはり日本国内でX(Twitter)の人気は安定して高いため、24年は本格的にビジネス展開に乗り出す算段なのだろう。

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