近年の「BOSS」ブランドは、従来メインとしてきた缶コーヒー以外の形態の新商品を相次いで発売している。背景には、前述した缶コーヒー市場の縮小のみならず、人々の嗜好(しこう)の多様化や働き方の変化などがある。こうした状況の中、ブランドコンセプトである「働く人の相棒」を足場に、新趣向の商品を生み出しているのだ。
従来のBOSS缶コーヒーの消費者は、仕事の合間の一服として飲用するケースが多かった。飲みながら休憩を取り、飲み終われば仕事に戻る形だ。
しかし、こうした「一服スタイル」も働き方の変化に伴い多様化。プラスチックのカップに入ったコーヒーを買い、仕事中や休憩中に少量ずつ時間をかけて飲んだり、朝に買って一日中持ち運んだりと、飲み方の変化に寄り添う必要が出てきた。
このため17年に発売したのが「クラフトボス」だ。ペットボトル入りの商品のため、蓋があり“ちびちび”と飲むことに適しており、最新のCMでは“宇宙人ジョーンズ”も休憩時間ではなく、仕事中に片手間で飲んでいる。21年3月には、ペットボトル容器をスリム化するリニューアルを行い、テレワークでも持ち歩きやすいよう改良した。
また、コーヒーを飲む習慣がない人にもターゲットを広げた商品として企画されたのが「クラフトボス ティー」シリーズだ。フルーツティーや無糖紅茶、ミルクティーなどの豊富な商品展開のほか、長年のCM展開でブランドが好意的に受け入れられていることも奏功し、当初のターゲットを中心に販売は好調だという。
縮小していく缶コーヒー市場で新たなターゲットも狙いつつ、多様な展開を図るボスブランド。今後の商品展開からも目が離せない。
東急歌舞伎町タワー、開業9カ月でどんなことが見えてきた?
侍ジャパン・栗山英樹前監督に聞く「WBC優勝の意義と課題」
ChatGPT進化の軌跡 たった1年で「どこまで」進化した?
シリーズ累計30億本超 「クラフトボス」誕生のきっかけとなった予想外な“若者の本音”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング