東京大学大学院工学系研究科修了、米国シカゴ大学経営大学院修士課程修了。
野村総合研究所、A.T.カーニー社で経営コンサルティング業務に従事。
目下、グロービス経営大学院で教員としてテクノベートシンキング、ビジネスアナリティクス、ビジネスデータサイエンスをはじめとする思考系、テクノベート系科目の科目開発、授業を担当するほか、グロービスAI経営教育研究所(GAiMERi)の所長としてAIを使った次世代の経営教育を創るべく研究開発に時間とエネルギーを注いでいる。
2022年11月30日にOpenAIのChatGPTが公開されてから、1年が経過しました。
「2023ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選ばれたように、23年に大きな注目を集めた「生成AI」。一時の流行にとどまらず、今後私たちの仕事や生活の在り方を大きく変えていく可能性を秘めています。
本稿では、ChatGPTに代表される2023年の生成AI関連の動向を振り返り、今年大きく普及した要因を探ります。
<中編:ChatGPTは事業活動の「どこ」に組み込まれるべきか? 24年のビジネスはこう変わる>
登場から約1年、そもそもChatGPTへの関心はどのように推移しているのでしょうか?
ChatGPTが登場して以来の関心の推移をGoogle Trendsでみてみると、関心度合いが高い状態が世界的に続いています。
日本では春先のピーク以降、検索トレンドは落ち着きを見せていますが、コンシューマー向けのサービスであるChatGPTサイトへの23年8月から10月のアクセス数を見ると、アクセスボリュームは日本が世界で第4位。人口の大小を考慮して補正すると、日本は5カ国の中でアクセスが最も活発であることが分かります。
通常、新しい技術への関心は、登場直後の過度な期待とその反動での失望の幻滅期を経て落ち着いていくといわれています。
実際、私が教える大学院の社会人学生からは「期待していたほどは使えていない」という声もあります。23年現在、ChatGPTは既に期待のピークを越え、幻滅期に差し掛かっているのかもしれません。
一方で、ソフトバンクの孫正義氏のように、ChatGPTを使っていない人は“人生を悔い改めた方がいい”と明言するほど、ほれ込み使い込んでいる人もいます。
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