これと似たようなことは他にもたくさんあります。
ある会社では、経費削減のためにカラー印刷を禁止していました。カラー印刷が許可されているのは、顧客提出用と部長以上です。あるとき、部会の準備をしていた担当者はメンバー全員の資料をカラーで印刷してしまいました。もちろん罰則が怖いので、すぐに廃棄して白黒で再印刷して事なきを得ます。
このように実務に関わるようなルールはもちろんですが「オンライン会議の際に上司より先に退室してはいけない」「Slackのメンションは偉い人順」のようなローカルルール。
このように「なんでもルール」は、地縛霊のように生き続けて組織全体に閉塞感をもたらします。
「ルールは覚えなければいけない。守らなければいけない。管理しなければいけない」
これを絶対に忘れないでください。
思考停止で「ルールを作りましょう!」と安易に言うのは危険です。それでも覚悟を持ってルールを作ると決めた場合には、ルールを問題児に合わせるのはやめましょう。
「こういう人の場合はどうするの!」「こんなリスクもあるのでは」と言い出してしまうと、どんどん増えて細かくなってしまいます。まずは、あるべき姿を思い浮かべ、それを目指すためのルールを作るのが大切です。
→思考停止のルール作りをやめる
→問題児に合わせたルールを作らない
この記事は、『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(元山文菜/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
株式会社リビカル代表取締役。業務コンサルタント。
大学卒業後、株式会社サクラクレパスに入社。その後、富士通株式会社に転職。2017年に独立し、現在の株式会社リビカルを設立。2021年11月(株)医療デザインラボ代表。医療に特化した業務コンサル会社を設立。障がいや難病女性向けのNPO運営の顔ももつ。
「多様性×業務改善で、はたらくを楽しむ人を増やしたい」をテーマに、業務や組織構造の再設計を手がける。個人や企業にとっての「価値ある時間の創出」「経営資源の拡大」を支援。これまで、DX推進、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やRPA導入支援と、個々人に対する時間管理術の改善をあわせて実施することで、組織への生産性を最適な手段で向上させる。そのほか、業務プロセス改善、タイムマネジメント、ダイバーシティマネジメントをテーマにした講演活動も精力的におこなっている。
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