ユニクロを運営するファーストリテイリングは、ラウンドミニショルダーバッグの販売数や販売額を公表していない。しかし、ミレニアル・バーキンと呼ばれ話題になった英国を中心とした欧州、さらにアジア諸国で人気を博しているのは明らかだ。冒頭で紹介したように、日本でもLystの23年第1四半期におけるファッショントレンドとして話題になった。なお、ラウンドミニショルダーバッグは展開しているどの国と地域でも、性別を問わず売れているという。そこがユニクロらしい。
ところで、ヒット商品の常だが、類似商品が市場に出回るようになってきた。見た目がそっくりで、より安価な価格で販売しているものもある。中には耐久性に問題があり、バッグという実用品として使うに堪えないほどのものもあると聞く。
ファーストリテイリングでは、9月19日に「ラウンドミニショルダーバッグの模倣品・類似品にご注意ください」と題したリリースを発表。「弊社は現在、模倣品・類似品の調査を続けるとともに、模倣品・類似品と確認された商品のうち悪質な事例については、その商品を製造・販売している会社に対する法的措置を検討しております」としている。
今後、軽さやシンプルな形、収納力を中心に支持されていることを踏まえて、大きさや形状に関して寄せられている要望に対処すべく検討していきたいとしている。
9月15日には、デザイナーのクレア・ワイト・ケラー氏を起用した「UNIQLO : C」という新しいラインにて、少しサイズを大きくした「レザータッチラウンドバッグ」(2990円)を発売した。色は、ブラック・ダークオレンジ・ナチュラルで、10月中旬にイエローが加わり、4色展開となる予定だ。
このように、商品のバリエーションが今後増えていく方向性で進んでいる。世界のファッショニスタのマストアイテム、ミレニアル・バーキンとして、ラウンドミニショルダーバッグの勢いはますます加速していく様相だ。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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