マツダの「EV」に試乗希望殺到、“眠れる獅子”ロータリーエンジンが咆哮(1/3 ページ)

» 2023年12月31日 16時02分 公開
[産経新聞]
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 マツダは令和5年11月、同社の象徴ともいえるロータリーエンジンを搭載し、発電機として使用するプラグインハイブリッド車「MX−30 ロータリーEV」を発売した。プラグインハイブリッド車とは、エンジンとモーターの両方で走り、外部からの給電も可能な電動車だ。なぜ車名は「EV」なのか、なぜマツダは11年ぶりにロータリーを復活させたのか−。試乗と取材で、その一端が明らかになった。

「おむすび」が回転

 元年秋の東京モーターショーで一般公開されたMX−30。国内では3年にEVモデルが投入された。さらに今回、追加されたのがロータリーEV。外観は変わらないが、側面にはロータリー搭載モデルであることを示すエンブレムが付いている。

photo マツダの「MX−30 ロータリーEV」。発電用のロータリーエンジンを搭載している=横浜市神奈川区(高橋寛次撮影)

 このエンブレムは三角形のおむすび型で、ロータリーの「ローター」を表している。一般的な「レシプロエンジン」はピストンが上下に動くが、ロータリーはこのローターが回転することで、車輪を回す力などを生み出す。

 ロータリーはマツダが昭和42年に量産化に成功。同年にスポーツカー「コスモスポーツ」を発売して以降、「RX―7」などに搭載してきた。平成3年には自動車耐久レースのルマン24時間で搭載車が総合優勝を果たした。小型・軽量化をはかりやすく、出力が高いのが特徴。だが、燃費性能を上げるのは難しく、15年、搭載車両の生産終了につながった。

 MX−30は、後部座席のドアも内側から開く、いわゆる“観音開き”が特徴。くしくも、現時点でロータリーを動力として使った最後のスポーツカー「RX−8」と共通している。

 ロータリーEVの希望小売価格は423万5000円から。プラグインハイブリッド車なので、政府による補助金(45万円まで)を活用できるほか、東京都など自治体が支出する補助金も使える場合がある。

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