16億円かけ新設「国際線ターミナル」が大苦戦 和歌山・南紀白浜空港の誤算(2/3 ページ)

» 2024年01月08日 06時30分 公開
[産経新聞]
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増改築なしで対応も

 各地の地方空港では、国際線のために増築や改築を行ったターミナルがある一方で、既存のターミナルで国際線のCIQに対応するところもある。

 元日の地震で被害を受けた能登空港(石川県輪島市)もその一つで、増改築をせずに台湾のチャーター便誘致に力を入れ、開港翌年の平成16年から令和5年までに台湾便だけで計652便が運航。同空港の台湾便は南紀白浜空港の過去すべての国際チャーター便の5倍近く、平成17年度には過去最高の111便に達した。

photo 南紀白浜空港の国際線ターミナル=和歌山県白浜町

 台湾からの観光客は、県内の温泉や金沢市、富山県立山町などを訪問。台湾では雪が珍しく、館山町で春から初夏に見られる巨大な雪の壁「雪の大谷」が人気という。

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 令和5年12月までの取材に、石川県の担当者は「国際チャーター便に対応できており、さほど不便はない。国際線ターミナルをつくる予定はない」と話した。

 松本空港(長野県松本市)も既存ターミナルでCIQを行い、令和2年までに韓国や中国、米グアムなどの国際チャーター便計227便が運航。ターミナルが1つの釧路空港(北海道釧路市)も同様の対応で、元年までに韓国や中国、台湾などの国際チャーター便が計102便あった。

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