高速道路SAPAの「有料化」案 しわ寄せで何が起こるのか高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

» 2024年01月18日 08時30分 公開
[高根英幸ITmedia]

高速道路料金「無料化」は棚上げに

 近年、高速道路のSAPAは利用者を満足させようと建て替えや設備の充実化を進めている。

 NEXCO各社はハイウェイオアシスを含めてSAのエンタメ化を進めてきたが、有料化となれば利用のハードルは一気に上昇する。ショッピングモールや道の駅などクルマで訪れて楽しめるスポットのライバルは増えているだけに、高速道路を利用してもSAPAにお金を落とさないようになっていくのではないだろうか。

 やはりSAPAを有料化するなら、それに合わせて高速料金を引き下げるべきだろう。SAPAを利用しない人の負担が減って、短距離での利用もしやすくなる。ましてや有料化のためにコストが増大するのでは本末転倒だ。

全国にある道の駅は、今や大人気の観光スポット。飲食や土産物の購入だけでなく、休憩のために立ち寄るドライバーも多く、SAPAが有料化されればさらに強力なライバルとなるだろう(写真:Kana Design Image - stock.adobe.com)

 高速道路料金は、建設費用だけでなく今後メンテナンスに必要な費用を上乗せして償還期間を50年も延長し、ほぼ永遠に無料にならないことが明らかになった。無料化を目指すのではないのなら、料金をグンと下げて国民の負担を軽減してもいいのではないだろうか。

 安くするとますます利用者が増えて渋滞やSAPAの混雑がひどくなる、という見方もあるだろう。しかし、利用者が増えれば単価は安くても売り上げは増加し、収益も確保できるはずだ。

 SAPAの利用を制限する方法は、次のSAPAへの移動を促すスタンプラリーなど、エンタメ化の延長としてゲーム性を盛り込むこと、また、いったん一般道に降りても初乗り料金が掛からないようにETCの料金設定を改めることなどによって、ある程度の効果が見込めるのではないだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.