スイーツ無人販売所「24」わずか1年で75店に 運営して分かってきたことは?100種類以上の冷凍スイーツ(4/6 ページ)

» 2024年01月25日 08時45分 公開
[小林香織ITmedia]

開業1年が経過して見えてきた課題は?

 エリアによって売れ行きに違いはあるものの、出店すると一定の集客があり、オープン時は行列ができることも少なくない。「当社でしか扱えない商品があり、選ばれる理由になっている」と山根氏は話す。

一部商品は、無人店舗においては独占的に販売しているという(トゥエンティフォー社提供)

 ブランドの店舗は遠くて足を運べない、冷凍の通販だと送料が高くつく、といった理由から顧客は24に訪れるのかもしれない。運営側の視点では、流行り廃りがあるスイーツを入れ替えられる、無人で運営できるといった点が大きなメリットだという。

 好調に推移している一方で、いろいろな課題も見えてきている。無人でのオペレーションには難しさが伴うようだ。

 「バーコードを使わないレジシステムであり、打ち間違いや入力の不備(最後のチェックアウトボタンまでたどりつかない)が比較的あります。万引き被害は半年間で3回ほどありました。同一人物の犯行であることは分かっていて、警察に捜査してもらっています」(方さん)

実際にレジを操作してみたが、確かにやや難易度が高い気がした(筆者撮影)

 「本店などは緊急連絡先として電話番号を店内に掲示していて、夜中でも電話がかかってきます。特に混み合うオープン初期は機械の故障などが多いので、その対応には苦労しますね。万引きは起きていると思いますが、有人の店舗とリスクは変わらないだろうと。あとは深夜に店の前にたむろする人がいて、近隣から『うるさい』という苦情もありました」(山根氏)

 店によっては集客に苦労することもある。綾瀬店では近隣にチラシをまいたり、Instagramの広告を打ったりすると集客が増えるが、マーケティングを怠ると集客が伸び悩むそうだ。

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