パソナは08年から淡路島で、農業活性化と独立就農を支援する地方創生事業の「パソナチャレンジファーム」に取り組んでおり、岡田氏は何度も経営企画の仕事で足を運んでいた。そのため、淡路島で生活するイメージはできていたそうだ。自宅から徒歩圏にドラッグストアやコンビニ、さらにスーパーが2軒あり、日常生活には困らない。月に一度、車で約30分の距離にある神戸で大きな買い物をすれば、事足りるという。
「インターナショナルスクールのおかげで、娘はひらがなより先にローマ字を覚えた」と、岡田氏は子どもの成長に目を細める。パソナグループでは大手学習塾と提携して、オンライン授業を受けられる体制も整え、進学校に行くための受験勉強も可能としている。距離的に神戸市内の灘や六甲学院のような名門私立中学・高校への通学も可能である。
パソナグループが目指しているのは、淡路島でも東京でも働ける、ライフスタイルに合った働き方だ。淡路島でも、子どもたちが東京と同等の教育が受けられるように、インターナショナルスクールを新たに作るなど、子育て環境の整備も格段に進んでいる。
同社の取り組みは、移住者が自然に恵まれた自由な雰囲気で働けるといった段階から、国際的に通用する子どもが育つ場所づくりへと、本格的な進化を遂げようとしている。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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